最近、アンデシュ・ハイセンの『スマホ脳』を読んだんです。
以下のような記載があって、妙に納得感がありました。
私たち人間は自然に幸せな気分にはならない生き物だ。人間を形成してきた世界では、半数が10歳にならずに亡くなり、平均寿命は30歳で、感染症や飢餓、殺人、事故、そして猛獣に殺されてきた。癌や心臓病ではなく。そんな世界で生き延びるためには、心配性で警戒心が強いことが長所だった。
(中略)
しかし、幸せな気分のホモ・サピエンスを生み出す選択圧はこれまで存在しなかった。その理由は簡単で、そういう人間が生き延びる勝算が高くなかったからだ。
アンデシュ・ハイセン『スマホ脳』より引用
生物の進化には長い時間がかかり、今の人間の遺伝子も石器時代の頃の生活がベースとなっているということですね。その頃は、幸せな気分を継続するより、絶えず警戒、心配することで、身の周りの危険に対処していました。その方が生存確率が高いので、そういった遺伝子を持った人間が生き残ってきました。
ここ1000年位で人間の生活が劇的に変わっても、この心配性の遺伝子が残っているので、継続して幸せを感じにくいし、ことあるごとに必要以上に心配してしまいます。
僕も、うつ病になった人間で、いまだに心配やストレスでお腹が痛くなったり、調子が悪くなったりします。
昔は自分弱いせいかなー、と自分のことを責めたりしてしまっていたんです。
でも、これは生存のために人間が得てきた性質の一つだと思うと、勇気づけられます。自分だけが特殊ではなくて、人間はそういう部分もあるということ。
うつ病患者が世界中に多いのも納得です。
私たちに必要なのは、こういった遺伝子をもつ自分とうまく付き合って、生活していくことだと思います。